『スティッキーフィンガーズ』

現在連載中のオリジナル長編小説です!不定期更新ですが、『スティッキー・フィンガーズ』こちらより全編を500円でご購入頂けます。何卒よろしくお願い申し上げます。instagram @harauru

2019年6月23日日曜日

ヘルメットの中の対話


どこまでも行けるような気がした。

前方を照らすヘッドライト、夜風、匂い

排気音

ヘルメットの中の暗闇で、昔飼ってた、死んだ犬のことを思い出してた。

流れる街灯、遠いあかり。


夜はまだ明けない。

2019年5月15日水曜日

面影


いたずらに、感傷的になっている。

過去の幻影に引きずられている、亡霊が、墓から蘇る。

あなたの面影。

だから、秋は嫌い、なんて。

かっこいいこと言ってみたり。

こんなこと考えるのもきっと、強い台風のせいだ。

ひどく憂鬱なセンチメンタル。

重い大気響く鈍痛、きみはここにいない


残像


きみの、残像
亡霊のように、そこかしこ

まだ、この部屋に漂っている決して消えない

ぼくは、酒を飲んで、それを消し去ろうと躍起になって

でも、思い出される君の青白い肌透けた静脈柔らかな肌の匂い
すらりと練り歩く

軽やかに

その手足

ぼくは、わすれられない

消えない残像

雨は止まない



無題



電子音楽

なりやまぬ、ふりやまぬ、雨

冷気、湿度


濡れた髪、揺れる

詩人とアナキズム

よく知りもしない詩人の死に、

ぼくは涙ぐむ

よく降る、くらい、雨の月曜、

鈍く重い頭の中に染み込む言葉たち

沈鬱な不安と焦燥の底に差す、一筋の明るい光

ぼくはまた酒を飲む

現実からの逃避

幸せからの、逃避


バカどもが、旗を振ってら