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2011年8月9日火曜日

Talking about ANDY WARHOL 59セントのラストサパー

アンディウォーホールには結構というか、かなり影響を受けていて、学生の頃に論文を書いたほどだ。

彼のクールかつニヒリスティックなスタンス、作品の、どぎついカラーリング、なんかカッコよく感じて、惹かれていた。












こんな感じのスカルとか。

なんか、耽美的で、退廃的で、かっこいい。

当時、シルバーファクトリーと呼ばれたアトリエには、さまざまなフリークス達が集まり、それが当時のニューヨークアンダーグランドカルチャーの最先端そのものであった訳で、その奇抜なファッションや、堕落したライフスタイル、なんか、アーティスティックでカッコよく、当時の僕は、強烈に憧れた。

そんな風になりたかったし、自分はそうなるべきだと思っていた。
僕にとって最高にかっこいい世界だった。


でも、ウォーホールにとって、果たして、そんな生活は、どうだったのだろう。

彼は、死ぬまで、ずっと仕合わせだったろうか。

シルバーファクトリーも60年代の絶頂期を過ぎ、70年代も後半になると、必然的に崩壊し、メンバー達は、その歴史とともに消えていった。そして、ウォーホールだけが生き残った。銃で撃たれはしたけれどね。

そこからが、ひとつの転機になったんだろう。

その後、彼は、会社を設立し、ビジネスとして有名人などのポートレイト制作に没頭した。

ミックジャガーや、ジョンレノンなどのポートレイトも作品として残っている。

でも、僕は、それらの作品はそんなに好きじゃあないんだな。

まさに大量生産大量消費のシステムにのっかって、シルクスクリーンを乱発していった。

彼にとっての80年代とは、とても不毛なものだった、と、僕は思う。



今になって、僕が彼の作品で一番好きなのは、彼が、まだ、コマーシャルアーティストだった時代、最初期の作品達。

この間、訪れたお客さん家の玄関にたまたま飾られていた緑の猫のペインティング。

繊細なタッチの。




こんなのが、好きなんだ。

あとは、天使達とか。





ね、かわいいでしょう。


同じ人が描いているとは、とても思えません。


でも、最晩年。

僕は実際に展覧会で観たのだけれど、その最後に飾られていた一枚のシルクスクリーン。












これを観たとき、ああ、やっぱりこの人はアーティストだったんだな、と、自然に、深く、納得させられました。

元ネタは、ご存じの通りレオナルドダビンチの最後の晩餐ですが、それをトレースし、ウォーホールの手法により版画化する。

59セントの刻印をつけて。

どういう意味かは分からないし、彼は作品についての解説など絶対にしないので分かるよしもありませんが、なんか、これこそ、ポップアートの神髄を見せつけられた気がして、ちょっと立ち止まり、しばらく動くことができませんでした。




僕は、ポップアートの感覚が、好きです。

なんか、反抗的で、不良っぽくて。

反発する若者の感性に近いのかな。

そんな気持ちを、忘れずに、一生、生き続けたいな、と思います。

アンディウォーホールのようにね。







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